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訪問編

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訪問看護ステーションによる、在宅でのデジリハ活用事例です。学校卒業後も意思表示や操作の機会を続ける、姿勢を保つ時間をつくる、眼球運動を引き出す——「その子のやりたい」に寄り添いながら、セラピストのねらいへ自然に導く関わりが詰まっています。

施設プロフィール

  • 子ども訪問看護ステーション/療育支援センター(発達部門・重心部門)
  • 対象:未就学〜学童期。PT・OT・STのセラピストが在宅訪問
  • 導入:Leap Motion・Moff・Tobii・HOKUYO の各センサーを導入し、個別・集団・訪問・イベントで活用

在宅での使い分け(ねらい別)

ねらいセンサー/アプリ工夫のポイント
姿勢保持の時間を確保Moff肘・手首を支え、手首の背屈を引き出して遊ぶ
意思表示・操作の継続Moff卒業後も、学校で得た操作・意思表示を続ける
眼球運動(上方向)Tobii(恋するチンアナゴ)好きな海の生き物を、上方向を見て追う
画面・動画を見る力Tobii(虫コレ)好きな題材。自由に動く対象の方が興味を引く
気持ちの切り替え飛び出せベイビー/のびのび双葉始め・終わりが明確なゲームで切り替えを練習

事例1:姿勢を保つ時間をつくる 主体性

脳性麻痺・肢体不自由のお子さん。注入に長い時間がかかり、座る時間の確保が難しく、変形も進んできていました。「高活動姿勢の時間を確保する」ことと、学校卒業後に減ってしまった「意思表示・スイッチ操作の機会を続ける」ことをねらいに、Moffを選択。肘・手首を安定して支えながら、手首の背屈の動きを引き出して遊びます。

しっかり画面を見て、集中して楽しそうにプレイし、声も出ます。一方で課題も:センサーを手先につけると重く感じることがあり、配置を試行錯誤中。また、楽しすぎて「やめたくない」と全身を反らせてしまうため、始め・終わりが明確なゲーム(飛び出せベイビー等)から、「この時間だけ」と気持ちの切り替えを練習しています。

事例2:好きな題材で眼球運動を引き出す

側弯症のオペ歴があり、自閉傾向もある(メインは発達の)お子さん。伸展活動が苦手で、眼球の上方向の動きも苦手な傾向がありました。海の生き物が大好きなことから、Tobiiの「恋するチンアナゴ」を使い、画面の上方にいるチンアナゴを追って眼球を上方向に動かす練習に。家では「やりたいこと中心」になりがちな中、好きな題材を入り口に、セラピストの誘導へ自然につなげています。

課題:低い位置でも反応してしまうため、上方向の運動範囲が広がりにくい。アプリを試しながら、ねらいに合う設定を探しています。

事例3:「見続ける力」を育てる 関係性

脳性麻痺のお子さん。お母さんから「自分でテレビや動画を見続けることができず、空いている時間はずっと遊び相手をしている」という困りごとが。「しっかり画面・動画を見られるように」とTobiiを選び、虫など本人の好きな題材で取り組みました。まっすぐ動くものより、自由に動く虫の方が興味を引くことが分かり、波打つ動きの方をよく見てくれました。

気づき:先に「車」のアプリで遊んでしまうと「車の方がいい」となり、別アプリのモチベーションが下がる——導入の順番も大切。本人の好きな車のアプリが少ない、視力(色の識別)の課題、といったフィードバックも得られました。

セラピストならではの応用

斜視疑いのあるお子さんの眼球の筋力訓練として、セラピストが操作して左右に動く亀や恐竜を目で追わせる、という使い方も。ただし出現がランダムで「誘導したい方向の対象が出にくい」という難しさもあり、頻度を調整しながら関わっています。

イベントでの体験会 学び合い

年に一度の施設のお祭りで、セラピスト部が体験ブースを運営。ねらいに応じて遊び方を変えました。

  • Tobii:視線で「バキュン」と狙うアプリに限定。
  • HOKUYO(忍者でドロン):発達のお子さんはゴムボールを投げて忍者を倒す/重心のお子さんはスイッチを押し、バッティングマシンでボールを当てて退治。
  • Moff:黒い物体を宝箱に見立て、100均の剣で叩いてジュエリーを落とすと宝箱が開いて景品。得点ボードで上位を狙えるようにゲーム性を持たせる。

この事例から学べること

  • 在宅では「その子のやりたい」を入り口にしつつ、好きな題材でセラピストのねらいへ導く
  • 姿勢保持や眼球運動など、生活で不足しがちな活動を遊びの中で確保できる。
  • 「やめたくない」への対策として、始め・終わりが明確なゲームで切り替えを練習する。
  • 導入の順番(先に強い好みを与えない)や、センサーの配置・重さも成否を左右する。

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